2019年8月25日日曜日

あのジャンボイノシシ、現る(130kg越え)

ジャンボイノシシ恐るべし!!



デカすぎるのはいささかです。





 昨日8月24日、地元猟友会の方が、(ちなみに僕の師匠)有害駆除でジャンボなイノシシをゲット。ちょうど会社の仕入をするために、卸売市場に来ている時に、複数の会社社員からLINEが連発。何事かと見てみると・・・




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うーん

何じゃ?これ?


で、でかい!!

軽トラの荷台横幅ぱんぱんやん・・・


 イノシシの屠畜は僕しか会社で行えないので、とりあえず待っていてと返信。荷台に積み込むのもこれは大変だっただろうなぁー

 後で聞くと、村の人3人に手伝ってもらって4人がかりで積み込んだらしい。僕の師匠は御年70歳。元気やなぁ。

 黒毛和牛の買い付けをするため市場に居た僕の携帯をチラ見して同業者さんも(+_+)びっくり!
なにそれ?と聞かれたので「イノシシ、・・・らしいです。」と答えました。夏場でもこんなデカくてまるまるしているなんて、本当に珍しいと思います。


 土曜日だったので、会社も忙しくなかなか屠畜できない状態だったので、師匠が「今日は儂がするわ!」と言ってくれたので一安心。あのでかさ一人でしてたらお肉屋さんの仕事出来ません。

 まるまるとした巨体は、脂ののった( ゚Д゚)状態。このように夏場で脂がのっている個体は、餌場が近くにあり、かつ移動距離の少ない外敵のいない環境でなければ育ちません。つまり畑のすぐそばの山に、人が入らない場所で何年間も過ごしてきた個体である、という事です。

 昼から僕も屠畜に参加。腹回り、背中の部分と3cm程度の脂がのっていました。



驚異の生体重量130kgオーバー



雄・推定年齢6歳




 専用の作業台の上で、少しずつ皮を剥いでいきます。皮を剥ぎながら、このイノシシがどうやって育ってきたかを師匠に教えてもらいました。

 以下師匠談



 「こんなイノシシは、この辺では珍しい。畑の野菜たっぷり食って、安全な場所に長い事おったんやろなぁ。それにしても盛りの時期の傷も少ないな。11月ごろに雌をめぐって雄同士激しくやりあうんや。牙で攻撃した時に、出来る傷が少ない。古傷はこんな感じで後が残るんや。特に発情期の雄は腹回りが傷だらけで、膿が出るから使いもんにならん場合が多いんやけど、このイノシシは去年ほとんどやられてないな。」



 飼育されている豚の事は、さまざまな牧場さんを見学させてもらっているのでそれなりに知識はありますが、イノシシは素人です。通ずる部分もあるかとは思いますが、個体からその生涯を推測する事は今の僕には出来ません。


 脂ののった個体だったので、皮はぎも超絶丁寧に行いました。一時間かけて剝いた巨体

はこちら。↓







このデカさ!!隣に比較で置いた黄色いライターが小人のように見えます。この写真に写っているのは長さの半分ほどです。ゴライアス!


 


 冷蔵庫に吊るした全部の状態でこの大きさ。図ると150㎝ありました。ながーい


 因みにこのイノシシはくくり罠でゲットした師匠。仕掛けた罠の見回る順番間違えてたらこいつ多分逃げてた、と言っていました。ワイヤー限界状態だったみたいです。


 僕の地元でもこんな立派なイノシシいるんだ、と思いました。今年が猟師初年度になる僕ですが、いつかこんな大物をゲットしたいと思った日でした。



 このままの状態で、1週間熟成させて捌きます。今から楽しみです。出来る限り丁寧な仕事を行い、美味しく頂く事が僕に出来ることかな、と思っています。


 



2019年8月24日土曜日

職人の技術

お肉屋さんの職人さんはどんな事をしているのか



お肉屋さん猟師の普段の仕事風景


 僕はお肉屋さんで勤めて17年になります。一応?一流職人のレベルには到達していると思います。(本当?)普段どんな仕事をしているかを今日はご紹介したいと思います。

 僕達お肉屋さんも時代の流れに合わせて仕事内容が変化しています。変化していないところは・・・数年たつと廃業です。どんな職業も変化しなければお客さんに評価し続けてもらう事は出来ません。

 昔は牛を屠畜するところからが、職人の仕事だったようです。牛を屠畜し、皮を剥ぎ内臓肉を処理して枝肉にする。枝肉をお店の冷蔵庫に吊るし、捌いて筋を引き、製品に仕上げて陳列するのが一連の職人さんの仕事でした。今はこのような仕事をしているお肉屋さんはほぼないと思います。

 お肉を販売している場所が小売店、いわゆる専門店しかなかった時代は、流通もその業態に合わせて発展・実施されていましたが、今はさまざまな場所でお肉が買える時代。流通も随分変わり、昔ながらのお肉屋さんは絶滅危惧種になっています。現在の流通の主たる場所は量販店、つまりスーパーです。

 スーパーさんの店舗は売り場8割、バックヤード2割の構成が一般的です。つまり店舗内で加工する事は比較的少なく、現地で出来る限り手間をかけずに販売スペースに商品を陳列出来るかが、鍵です。これは価格にも非常に大きな影響を及ぼします。僕の働いているお肉屋さんは、売り場3割、バックヤード7割の構成です。

 専門店を回り、買い物をする時代から欲しい商品を一同に得ることの出来るスーパーはその利便性から消費者の支持を得て発展してきました。さまざまな大手スーパーがしのぎを削りあっていますが、お肉部門はまだまだ発展する余地のある部門の様です。ちなみに海外の大手スーパーは日本独特の流通についていけず、どの会社もほぼ撤退していますが、コストコだけは生き残っていますね。

 昔はあのようなホールセールスタイルは流行らないと言われていました。ダイエーがその昔アメリカの流通スタイルをフューチャーして、コストコのような業態を開発したことがありましたが、すぐに廃業していました。時代にそぐわなかったのでしょう。そう考えるとダイエー創業者は時代の数歩先を行く慧眼の持ち主だったのだと改めて思う次第です。

 一時小売店は絶滅してしまうのではないかと思われるぐらい衰退していましたが、現在はスーパーさんもお肉の売上を落としているようです。人口減少時代、これからの消費は伸びる事はしばらく無さそうです。

 スーパーさんはその流通特性からお肉は ”部分肉” と呼ばれる状態で仕入れています。また部分肉を各個店が扱いやすいように改良した ”スペック” と呼ばれる状態で仕入れる場合も多いです。主な利点は商品化する時に扱いやすい事と、在庫調整のしやすさなどです。

 扱いやすい、といっても部分肉は大きいもので20kgを超えます。平均的な一人前80gの焼肉屋さんで換算すると、なんと250人前!牛肉を扱うのに技術が必要な理由の一つに膨大な量のお肉を製品化する、商品開発力が上げられると思います。牛肉は様々な筋肉が折り重なって部分肉を作っているので、硬いところもあれば柔らかいところもある、小さな面積な部位もあれば大きな面積の部位もあると、変化に富んでいます。

 その全てに適切な価値をつけて販売・管理する事はなかなかの技術です。良くわからずに行っている業者さんも多いと思いますが、この技術は僕達専門店、お肉屋さんの命綱でもあります。部分肉それぞれの品質を見極め、適した仕事を行って製品化する事で、そのお店しかないオリジナルな製品を作ることが出来るからです。

 僕の働いているお肉屋さんは、昔ながらの枝肉から部分肉を作る、 ”捌き” を行っているお店です。最近のお肉屋さんは行わなくなってきた作業ですが、覚えるのにも時間が必要ですし、捌く人材を確保するにはそれ相応の人件費が必要になってきます。適切な利益を出せる会社でかつ、人材確保と人材育成の出来る会社でなければ実現できなくなってきました。

 捌きはお肉の専門店で必要とされる技術を習得するには何年もかかります。この大変さが捌きをしなくなってきた要因の一つであると思います。この捌きは現在は主に大手食肉メーカーさんが大型工場で行っています。皆さんも良く聞く 日本ハム や 伊藤ハム 
などのメーカーさんが行っています。

 その大手メーカーさんが作った部分肉が現在の流通の主流です。この主流に逆らうがごとく枝肉を扱っているのは、守るべき価値と、その守るべきものから新たな価値を生み出すためです。競合他社との競争に勝ち抜き、お客さんに指示されるためには、競合が行わない取り組みを行う事が良い方法の一つだと思っています。

枝肉とは


 下の写真は今日、僕が競りで買った黒毛和牛です。これは枝肉の右側。脊柱で半分に切り、左右合わせて一頭分の枝肉になります。アキレス腱の所に丈夫な金属製のフック(業界ではちんちょうと呼んでいます)をかけて逆さまにぶら下げています。
 






 下の写真は枝肉の評価をするために胸骨第6本目で切開した面です。この切断面を見ながら評価したりします。焼肉屋さんで見かける ”A5等級” なんていう評価もこの切断面を見ながら、日本格付協会(通称日格)という公的機関が、見本を見ながら決めています。











 が、どうしても見本を頼りに、格付けする人間の主観的な評価になってしまうので評価のばらつきがあったりします。評価する人間の好みなども反映されていたりするので、この格付けは参考程度に、枝肉を選別・購入する担当者独自の評価をすることが多いと思います。少なくともこの格付けは味などの評価は入っていないので、(もちろん事前に食べれません!)経験を頼りに、自社の求める価値のある枝肉を買い付けていきます。


 写真では解りにくいですが、この黒毛和牛の格付けはB-3です。A・B・Cというのは歩留まりを表しています。Aが73%以上、Bが70%以上、Cがそれ以下です。この歩留まりの評価方法は、主に先ほどの切断面の筋肉が占める割合から導き出されます。僕の買った黒毛和牛はBの評価なので、こうしてみるとあまり良い品質では無いのでは?と思うかもしれませんが、この歩留まり率は味などにはほぼ影響しない項目です。

 歩留まり率とは、枝肉から骨、大まかな脂を取り除いた時の、最初の重量からの減少率の事です。勿論歩留まりが良ければ産肉量が増え、それはそれで良いお肉の条件とも言えますが、僕の働いている会社では利益も重視していますが、一番は食べて頂いて美味しい事、これを第1条件にしています。ですから歩留まり率は僕達の評価では2番目以降の条件です。

 この歩留まり率は作業従事者の技術でもかなり変動します。僕達が枝肉から骨を取り除く作業、捌きを行うと大手メーカーさんと2~3%変わります。それは良い方にです。黒毛和牛一頭を100万円だと仮定すると、歩留まり率は1%で1万円の利益率の変動を伴う事になります。

 この一万円分が僕達の技術で算出している利益です。ただこの計算は効率は考慮していないので、時間が沢山かかるとその分人件費も掛かるわけですから、大手メーカーさんはそのぶん効率を最大限上げて商品原価を抑える工夫をされています。大量に仕入れて、大量に販売する訳ですから、効率は非常に大事です。

 その反面、僕達の様な専門店は大量に仕入れる事はありませんので、技術で丁寧な仕事を行い、その技術で利益を算出するスタイルです。ちなみに今日は黒毛和牛を2頭買い付けました。専門店で一日2頭買い付けするのはけっこう勇気が要ります。牛1頭から何百人前ものお肉が産出されるので、販売力が無いと出来ないです。

 産出したお肉は一日で全て売れるわけでは無いので、管理・保管する技術が必要です。同時に熟成も管理しなければいけません。全て同じ精肉製品になることもありません。ヘレ肉やサーロインといった高級部位はステーキ用に、カタロースはすき焼き用に、などそれぞれの部分肉に適したカットを施して商品化します。


 自分の行っている仕事をふと振り返って書いてみると、色んな取り組みがあるんだなと自分でも改めて認識した次第です。お肉屋さんの仕入れ担当はこんなことを行っています。

 今日は僕の日常業務のお話しでした。お肉の事で気になることがあれば、僕のわかる範囲でお応えします!


 P・s


 今日、ジャンボイノシシが現れました。このジャンボイノシシや如何に?



 次回にご紹介したいと思います。

















2019年8月15日木曜日

初めてのコメント頂きました!!

嬉しすぎて記事にしてしまう単純さ 草


初めてコメント頂きました!!!

 あまりもの嬉しさに記事にしてしまう単純な私。乙

 残念ながらせっかくコメント頂いているのですが、お相手の方のアカウントが解らず返信できませんでした。よって調子に乗って記事を一本書いてしまおうと思った次第です。


 こちらが頂いたコメント♪ ↓↓↓

 
お店にか商品として出るまでには
やっぱり大変な作業があるんですね。
熟成肉食べたくなりました。
 ありがとうございます<(_ _)>

 そうなんです、作業と工夫の連続です。でもどんな業界でもいろいろな工夫を経て商品化されていると思いますので、僕達の食肉業界に限った話ではないと思うのですが、やはり ”餅は餅屋” と申しますか。食品の中でも牛肉はとりわけその全てを知るには難しい食品だと思います。

 僕は今のお肉屋さんに勤める前はビストロに勤めていました。パンを焼いたりパスタの手打ち、コース料理を出している支店もあったので、デザートも店内で仕込んでいました。つまりかなりの幅のある食品を取り扱ってきた訳ですが、一番牛肉が勉強しにくかったと思います。

 これは多分焼肉屋さんでも同じことが言えると思います。牛肉は骨付きの状態で平均450kg。大きな部位に平均32個に分かれます。その全てを消費期限内に通常の飲食店で取り扱う事は至難の業。また骨を抜く脱骨という作業(業界では捌きと言います)や硬い筋や余分な脂を取り除く作業(これは筋引きと言います)が必要です。

 この売る力や商品化する技術や体制、牛肉を精肉化する技術は一朝一夕では身につける事は出来ません。また牛肉を仕入れる際に大きな骨付き肉で見極めて仕入れることは、仕入れ業務の中でも一番経験を必要とされる仕事です。この大きな骨付き肉を ”枝肉” と業界では呼んでいます。

 枝肉は卸売市場で主に仕入れます。というか枝肉を生産するには屠畜しなければいけません。家畜を屠畜する事は ”屠畜場法” という法律で厳しく管理されており、このことで消費者に安心で安全な食肉を届けることが実現できます。兵庫県内にある屠畜場は全部で7か所、その内屠畜後の枝肉を活発に卸売市場で ”競り” を行い取り扱っているのは姫路の和牛マスターという屠畜場と神戸の西部市場の2か所です。加古川は週2回、その他は競り自体を行っていない屠場です。

 (※その他の屠場で屠畜される家畜は、相対取引という取引形態でその市場に出入りしている業者さん達だけの間で流通しています。)

 競りは単純に申し上げますと、自分が欲しいと思った牛肉に一番高値を付けると手に入るシステムです。が、なんでも高値で買い上げると当然利益は出ませんし、牛肉に対する価値観はその仕入れる方の価値観に左右されます。つまり好みが出てくるわけです。また誰が見ても価値のある牛肉は当然高い値段がつきますので、如何にして自分の欲しい品質を出来る限り低価格で仕入れるかが勝負の基本です。

 ところが仕入れに来ているのは当然自分一人ではありませんので、自分が欲しいと思っている牛肉は誰かも求めています。そうすると必然的に価格は上がって行きます。これが競りのシステムです。テレビなどでよくやっている競りは漁協さんや果物・野菜の手競りですが、(手で自分の意思を表して、購買の意思を示す競りのシステム)現在ではそういった手で競ることはほとんどありません。機械装置によって意思表示します。

 あまりにも安く買おうと競らないでいると何も手に入りません。今日も手ぶらで帰ったのかと他の業者さん達に見られてしまうので、そこそこ競る、たまに無茶するぐらいじゃないと買えないのです。このやり取りが何時になってもドキドキします。僕はサラリーマンですから、会社の資金を使って競ります。当然赤字覚悟で競る場合もありますが、そうすると怒られます、社長に。

 競りに参加するには舐められない事も大事、意地を張りすぎて赤字全開で競り落とすと社長に全開で怒られる、こういった事をしのぎつつ今日も牛肉を仕入れています。まあ僕のスタンスは出来る限り敵を作らない、というスタンスです。仕入れに来ている業者さん達はほとんどが百戦錬磨のツワモノぞろい。ライバル同士で激しく火花を散らしていますが、僕のように一般消費者向けに販売している小売店では購買力が違うので、こういった業者さん達とはやり合いすぎないように注意しています。

 当然業者さん達とはその他の取引でお世話になる場合もあるので、そこのところは良いバランスで付き合わなければいけないのです、いわゆる業界のしがらみってやつですかね~ それに仕入れに来ている業者さん達は主に社長連中や経営中枢の方々ばかり。僕のような中間管理職は少ないです。決済できる力が違うので、太刀打ち出来ない、というか太刀打ちしません!!www

 さて苦労(?)して仕入れた枝肉を今度は熟成させていきます。枝肉の状態で熟成させることは、様々なメリット・デメリットがあります。これらを自分たちの考えている状態に導きながら調整して熟成させます。枝肉を取り扱うお肉屋さんは本当に少なくなってきました。お肉屋さん自体が減少し続けている訳ですから当然ですが、骨を取り除く作業、通称捌きの出来る職人さんはもう本当にレアな人になってきています。

 枝肉熟成は求めている状態まで熟成させて捌きます。僕の勤めているお肉屋さんではだいたい2週間熟成させます。骨付きの状態で酸素残存化の大気中で熟成させると、牛肉は独特の芳香を放つようになります。熟成香と呼ばれている香りです。好気的条件(空気中という意味)により活動する微生物が活動して出来たり、筋肉中や脂肪中の成分が化学的反応(これは逆に嫌気的反応、つまり酸素無し状態も含む)により醸成される成分です。

 良い品質の枝肉を収めている冷蔵庫に入ると、美味しそうな食欲をそそる香りがします。よそのお肉屋さんに行く時、枝庫という枝肉を吊り下げている冷蔵庫に入ると、そのお店がどういった品質の牛肉を取り扱い、販売しているのかがひと嗅ぎでわかるという(一目やないんかーい)職業病みたいなものですねー、もちろん陳列されている牛肉でも解りますが、鼻の方がなんだかプロっぽく感じるので、鼻押しで行きます。w

 熟成と一口に申しましても、様々な業界内での定義があり僕が見学したお肉屋さんで最短3日で熟成肉として販売しているお肉屋さんを見た事があります。法律で熟成について定義していないので、3日から最長で3か月までのお肉を熟成肉として取り扱っているお肉屋さんがあります。そろそろ法律化の声が聞こえてきている業界内ですが、まだ有識者内での検討に留まっている模様です。

 この熟成を法律で定義しよう、という動きはどちらかと言うと事故防止の観点からの動きです。事故とは熟成肉の扱いを間違えて、食中毒事件を起こるのを防ぐ国の動き、という事です。前回の記事でも紹介しましたが、熟成肉の取り扱いがあまりにも未熟な飲食店さんが多い(僕の主観的意見ですが、国もどうやら同じ意見のようです)ので、いっそのこと法律で定義してしまおう、という事のようです。

 この定義がどうやら上限・下限の定義の様で、熟成肉と表示するには何日以上・何日までに販売、となりそうな雰囲気。でも僕達小売店では厳しく取り締まれそうですが、星の数ほどある牛肉を取り扱う飲食店に果たしてこの法律を浸透させて、実行力のある物にできるかという一抹の不安はあります。小売店で厳しく取り締まれる、と言ったのはトレーサビリティ法のおかげであります。

 牛肉は生まれる前から消費者に届くまでその全ての追跡が可能な数少ない食品です。豚肉や鶏肉はこの法律の範疇外、魚は水揚げした港が生産地になるので、卵の時にどこでどうしていたかなんて追跡できるはずもありません。個体識別番号という10桁の番号により、どこで、だれが何をどうしたのかが生産から消費まで公開されています。

 お肉屋さんではこの個体識別番号を販売する牛肉に、消費者に分かりやすい形で表示する義務があり、これが厳しく取り締まれるよ、という根拠です。飲食店さんは推奨なので、表示義務が無く仮に熟成が法律で定義されても一番危険な販売先を取り締まり管理することが出来ないのではないか、という事です。

 まあ熟成もブームですし、卓越した技術と管理で正しい熟成肉を販売されている飲食店さんもありますので、最終的には消費者に支持されない飲食店は淘汰されていくという、資本主義の体現により進むべき道に向かうのでしょう。

 消費期限と言えば枝肉には実はありません。(!!!)これも法律で定義される、なんてことになるともしかしたら今までの熟成肉が食べれない!何てことが起きるかもしれません。枝肉を部分肉という(サーロイン、とか)ものに切り分ける時に、消味期限が添付されます。この根拠は細菌数により決められている場合が殆どです。まず一般生菌数検査という細菌の数を日数の経過と共に観察し、厚生労働省が定めている数値内に留まっている期間を算出します。

 この産出された数字に、流通時のダメージなどを考慮して安全係数というもの掛けて算出するのが牛肉の部分肉に添付されている賞味期限の根拠になります。だいたい40日が主な表示です。また部分肉に加工する工場の衛生度によって数字は多少上下するので、輸出対応の工場なんかだともっと長い賞味期限がつきます。

 こうやって部分肉になったお肉が現在の流通のほとんどです。スーパーなどで販売されている牛肉は部分肉を仕入れて、加工しているのです。この部分肉の賞味期限はその販売しているお店の冷蔵庫の性能や、加工場の衛生度によってこの日数で大丈夫かと言えば一概には言えません。

 牛肉は消費者の方が選ぶときに、日本人の方は特にですが鮮度を指標にしていると思います。刺身・生食の文化がある国ですので当然ですし、すき焼き用や焼肉用など精肉になっている牛肉は鮮度で選ぶことはほとんど間違いありません。

(※一部例外あり、というか実はお肉の熟成は様々なプロセスがあり、カットの方法やそれまでの経緯などによってその牛肉が一番食した時に美味しくなる状態は、厳密にいうと鮮度だけを頼りにしているのは間違いです、がそんな事を気にしていたら食事も喉を通らなくなるので今回は説明は割愛。)

 
 鮮度が消費者に対して良く見える期間内に販売しなければ、割引・からの半額何てことになると赤字まっしぐらですので、スーパーさんなどで販売している牛肉は鮮度抜群!熟成にはほど遠い存在。くしくも激安スーパーなどは鮮度の落ちた牛肉を安く仕入れるので、ある意味熟成している牛肉を販売していると言えるかもしれません。

 熟成


 熟成についてお返事を書こうと思ったら、前置きがこんなにも長くなってしまった( ^ω^)・・・

 それでは深淵なる熟成の世界にレッツゴー


 プロが行う正しい熟成は、


 先にゴールをある程度決めている
 

 状態だと思います。牛肉の品質を最初に見極めて「この牛肉だったら、この部位だったらこの熟成をして、この辺りの日にちが一番おいしい時。」というのをわからなければ出来ない技術です。その熟成を可能な限りコントロールして、経済的に成り立つ範囲で熟成しなければ僕達お肉屋さんはやっていけないのです。究極の熟成もたまにやってみたりしますが、多くの消費者の方に指示され、かつ会社にも利益の出せる範囲でなければ行う事は出来ません。


 一部超高級店さんなんかでは究極の熟成を行ったりされていますが、これは法外な価格になります。枝肉の熟成には様々なメリット・デメリットがあると申し上げましたが、最大のメリットは美味しさの醸成(もちろん熟成の限度はありますが)、デメリットは価格の上昇、廃棄部分の多さにあります。

 枝肉から骨を取り除くときに平均して重量は74%程度になります。骨付きで1000円で購入した牛肉は、骨を取り除くだけで約1350円に。あとは大気中に水分が蒸発して目減りするのが1週間でおおよそ1%。水分量が少なくなるほどにこの数値は下がりますが、仮に2か月間8週間枝肉で熟成させると66%に。これで1515円。枝肉の表面は酸化して更にうっすらとカビが生えてきます。食べれないので取り除きますが、これで更に60%に。1666円。この枝肉からとれた部分肉の硬い筋や余分な脂を取り除く筋引きを丁寧に行うと更に3割減。

 

・骨付き1000円kg辺り100kg☚
 原価金額=100000円
・部分肉にするだけで2083円kg辺り


おお、倍の金額がついてしまいました。これを更に余分なドリップなど省く管理する作業などを行って精肉にします。さらに熟成肉は温度変化に敏感に反応しますので、非常に高性能な冷蔵庫が必要になるなど、通常のお肉屋さんと比べて設備投資をかなり行わなければいけません。それにこれは全ての部分肉の平均単価で、高級部位も低級部位も同じ評価金額としています。サーロインやヘレの様な高級部位は価格差が3倍以上します。

 お肉、黒毛和牛がkg辺り1000円で仕入れることは不可能です。良い品質の牛肉は最低でもkg2000円以上しますので、そういった事を考えていくと、サーロインなら原価が最低でもkg辺り

((2083円×2(1000円の倍)の更に3倍+設備投資・人件費・利益など必要経費経費を20%と仮定))因みに20%だったら超がんばっているお肉屋さんです!!


15600円以上となりました。改めて計算すると高いな・・・いや、それだけかかるのは必然なのです。このお肉をステーキ屋さんで200g注文すると原価で3100円かかってくるという事になります。飲食店の原価率は30%が平均といわれているのでステーキ200g一枚1万円という風に導き出す事が出来ます。

 これが世の中で正しい熟成肉の価格となります。お家で調理すると一枚1万円もしませんが、火入れや提供の仕方など再現できない事も沢山あるので、本当の熟成肉をステーキで味わうと仮定すると、一万円で食べれたらかなり安いってことになります。熟成肉恐るべし・・・

 因みに飲食店の原価率30%は本当の平均値です。今話題のいきなり!ステーキさんなどは60%という驚異的な、業界の常識を破壊した原価率です。俺の○○、なんていうお店もそういったビジネスモデルでなりたっています。ですから常に満席でないと成り立たない商売なんですねー、いきなりステーキは今苦戦しているそうですが、自店の淘汰が進めば業績は回復するのでしょうか?

 話が脱線したので再び熟成の話に軌道修正、というか脱線しまくりながら業界の事を色々書いている方が、書いている僕自身は楽しかったりするのですが。さてこのように高額な熟成肉ばかりでは当然ながら消費して下さる方も少数になりますので、もっと親しみやすく熟成肉を提供できないか、と僕達は取り組んでいます。具体的には枝肉の熟成と、部分肉での熟成を組み合わせたいわばハイブリッドな熟成です。

 この熟成法は、両者の良い点を取り入れた経済的にもよい方法だと思っています。美味しさを追求しつつ、管理しやすくお手頃な価格で販売できる方法なので、この方法を軸として様々な工夫を行いながらお肉を取り扱っています。


 お返事を書こうと思ったら、僕のブログの中で最長の長さになってしまった・・・

 熟成やお肉の事はまだまだ、いやほんとうにまだまだまだまだ書けますが、タイピングのおぼつかない僕にはそろそろ限界です。

 コメント本当に有難うございました!!






















2019年8月10日土曜日

お肉屋さんの職人としての私。

お肉屋さんの職人としての力量


職人歴17年目。


 その実力や如何に?(笑)


 お肉屋さん猟師という題名で書かせて頂いているこのブログ。つまりお肉屋さんの職人が書いているという事です。僕の働いているお肉屋さんは法人化していますので、(有限会社)技術職のサラリーマンという事になります。主な業務は仕入れと食肉加工、そして人事管理です。


 仕入れは枝肉と呼ばれる皮を剥いで、半分に切った物を主に仕入れています。下の画像はその枝肉の様子。












 アキレス腱の所にフックをかけて、吊り下げています。この状態が枝肉と呼ばれています。黒毛和牛、牛一頭当たり平均で500kgもの重量があります(!)僕達の会社で取り扱っているのはもう少し小さくて420kgぐらいです。

 この枝肉を検品するために、必ず決められた位置で断面が見えるように切ります。これを胴切りと言います。この胴切りは必ず左側を切ります。この断面を見て格付けを行ったり、品質を見極めたりするのです。

 下の写真はその胴切りを行った後。写真に写っているのは神戸ビーフです。kg辺り4500円もします!!しかも骨付きですから、骨や脂を取り除くと、とんでもない金額に。一般庶民のお口にはめったに入らない代物になってきました。

 価格高騰の理由として、都市部などでの富裕層の消費拡大と最大の理由としてインバウンド需要が上げられます。訪日外国人観光客に絶大なる人気を誇ります。神戸の南京町などに行くと外国人がわんさか。ステーキ、しゃぶしゃぶやすき焼きに舌鼓をうっています。

 





 上の写真の ”このぶぶん” と印を入れてある部分は ”ロース” と呼ばれる部分。前半を ”リブロース” 後半が ”サーロイン” という部位名で呼ばれています。この名前なら聞いたことがあるのではないでしょうか。このロースをさばいている人が・・・






 お恥ずかしい(/ω\)不生わたくしです。包丁を入れているところはヘレ肉を取り外しにかかっている所。このロースは左側です。ヘレ肉はロース肉の内側にぴったりと張り付いていますので、短い包丁を使って少しずつ切り剥がしていきます。ご存知柔らかいお肉の代表、ヘレ肉。

 柔らかいので少し力加減を間違うと、裂けてしまいます。僕達小売りで捌きを覚えた職人は、このヘレを切り分ける作業を行う時には細心の注意を払います。これが量をこなさなければいけない卸売り業者さんなら、柔らかいヘレ肉なんのその、少し切り込みを入れて引っぺがしてしまうのです・・・

 更に余談ですが外国の卸売り業者さんの捌き風景をビデオで見て絶句!ヘレ肉を正に引っぺがしていました!!この作業は枝肉の状態で宙づりになっている時にワイヤーのような物を引っかけて剥がしていました。このような事が出来るのも屠畜して直ぐに捌くから可能なのでしょう。

 屠畜、とは家畜を食肉化するために屠場で処理する事です。筋肉は死後、徐々に硬直していきます。死後硬直と呼ばれるものです。例えば魚だと1日、鶏肉は2日、豚肉1週間、牛肉2週間が死後硬直をしている期間です。(種類により前後あり。全ておおよその期間。)

 この期間を経ると、生前の筋肉の柔らかさに戻ります。つまり屠畜直後は死後硬直が始まっていない、柔らかい状態なので骨から身が剥がれやすく、ワイヤーで引っ張るという荒療治が可能な訳です。日本で同じことを行わないのは流通させるときの目的が違っていたり、少し前だとBSE(狂牛病)の検査のために必ず1日流通を待たなければいけない事情があったため、などです。

 余談ですがこのヘレ肉、実は内臓肉の仲間です。特に写真の中で手前側に位置する部分は正に内臓肉の働きをしています。ヘレ肉の中でもっとも脂肪が少なく、そして熟成しません。ヘレ肉の頭、なんてステーキ屋さんで呼ばれたりしていますが、熟成しない、という事実をご存知の方はごく少数でしょう。

 正面から見ると下の写真のようになります。





 表面が黒くなっているのは熟成期間中に酸化しているからです。僕達の会社ではだいたい2週間ほど枝肉の状態で置いています。こうする事により風味が増して肉が美味しくなります。この熟成期間やどういった状態で冷蔵庫に置いておくのか、またどのような機能のある冷蔵庫に置いておくのかは、熟成をする企業さんの価値観により様々な方法が行われます。

 京都の有名なお肉屋さんだと2か月間(!)もの期間僕達が置いている状態と似通った方法で熟成させる会社もあります。あと大事な事ですが、熟成を施す牛肉の品質もその熟成の結果に重大な影響を及ぼします。低品質な牛肉だと僕達が行っている方法だと途中で腐敗、つまり腐ってしまいます。

 数年前から熟成ブームが来ていて、様々な飲食店で試食してきましたが、8割以上の飲食店さんは方法を間違えていたり、管理不足で腐敗しかけているものを提供しているという感触です。えっ!!!!腐敗しているものを食べているんですか、貴方は?と仰る方いるかもしれませんが、腐敗の定義はなかなか難しいのです、科学的に定義しようとすると。

 お腹壊しませんか?という意見も聞こえてきそうですが、実はお腹を下したり、いわゆる食中毒になる原因と、腐る原因を作っている菌は違うのです。子供やお年寄りなどは腐敗菌でも下してしまう事はありますが、腐っている物を食べてお腹を下すことは凄く難しい事です。

 なぜかと申し上げますと、腐っている物は基本的に喉を通りません!!人間の防衛本能です。実はそういわれて試したことがあるのですが(笑)危険なレベルで腐敗している物は本当に喉を通りませんでした・・・オエッ


 目も覚めるような強烈な刺激臭と胃が裏返るかのような、いや口のところにまで来ているのではと思うほど受け付けてくれません。これは完全に腐っている場合ですが、ああ腐敗に向かっているな、というレベルの時は意外と食べれます(笑)この状態を熟成肉です!といって販売しているお店の多い事!

 大気中で熟成させる場合、少しの温度変化が命取りになります。また熟成期間が長ければ長いほどお肉は温度の変化を微妙に感じ取ります。例えば厳密な4℃で1か月大気中で熟成させたお肉を切り分けて、飲食店の冷蔵庫で保管したと仮定しましょう。

 切り分ける事で表面積が格段に増えて、一気に酸化、熟成が進みます。そして大事な温度ですが、営業時間中の冷蔵庫は扉の開閉により温度は常に一定ではありません。冷蔵庫内の冷えた空気は扉の開閉により奪われ、急激に温度上昇します。これは家庭用冷蔵庫でも同じです。

 冷蔵庫の設定温度が冷蔵庫内の温度ではありません。どれほど優れた冷蔵庫でも熱伝導率の低い空気を冷やすには一定の時間がかかり、庫内の温度は激しく乱降下。これでは一気に熟成が進み、腐敗していくということになってしまいます。

 ちょっと長くなってしまいましたが、僕達が熟成期間を枝肉は2週間程度でコントロールしているのもこのような事を防ぐためです。経済的にも長すぎる熟成をしたお肉は不可食部分が多くなり高額になってしまうので、僕たちは行っていません。その後の熟成は真空包装をして行っています。

 ただし本当に良い品質のお肉はもう一週間ほど大気中で熟成させます。こうするとえもしれぬ良い香りが漂い始めます。このようなお肉を食べると、一生忘れられない思い出の味になるでしょう。ヨダレ🤤この香り、香気成分は食事を始める前からお部屋に漂うので、良いお肉は食事の前から楽しむことが出来ます。

 この香気成分なんですが、加熱してしまうと揮発して失われます。面白いことに食事中は美味しそうな匂いだな、と思っていた香りは嗅がずに、別の香りを嗅いでいるのです、不思議ですね~。別の香りも高温は苦手。すき焼きやしゃぶしゃぶをとびきりのお肉で作るときはあまり焼きすぎない、お湯にくぐらせすぎない、沸騰させないよう気を付けると更に美味しく召し上がれるという事です。


 おお!


 気がついたら30分も経っていました。やはり本職、お肉の事を語り始めると止まりません。今日はこれまで。またいろいろお伝えできればと思います。m(__)m













2019年8月3日土曜日

狩猟免許試験当日の様子(合格率80%以上♪)

当日の出題問題


講習会の内容ほぼそのままです!!


 令和元年7月19日(金)に姫路市にある ”兵庫県立姫路労働会館” で行われた狩猟試験の様子をお伝えしたいと思います。僕は当日 第一種銃猟免許罠猟免許の免許を受験しました。共に見事合格!しますがタイトルにもあるとおり合格率80%以上、つまり初心者講習会を受講すればほぼ通るのが狩猟免許試験という事です。

 問題は免許習得後の行い方や取り組み方だと思っています。どのように取得した免許を行使するかがこの資格のポイントだと考えています。

 初心者講習会を2回受講し、僕のお目当ての第一種銃猟免許と罠猟免許の試験対策を済ませていましたので当日は非常にリラックスした状態で受講する事が出来ました。全部で4種類ある狩猟関係の免許習得をお考えの方は、ぜひ各都道府県猟友会が開催している初心者講習会を受講する事をお勧めします。


 試験当日はおおよそ試験日一週間前に、自宅に届く受験票を忘れずに持っていきましょう。試験開始は午前10時から。9時40分までには会場入りし、指定された座席に着席していなければなりません。

 複数種類の受験をする人は、別会場で受験します。僕が参加した時はだいたい30人ぐらいの方が複数受験されていました。午前中は筆記試験を行います。出題される問題は講習で出題された内容と、ほぼ同じ内容です。講習さえ受講し、そののち家で少しばかり復習して、参考書の気になるところを押さえておけば大丈夫です。僕の勉強時間は4.5時間ほどです。

 試験開始から30分が経過すると退室が可能です。僕は念には念を入れて4回見直し、開始50分で退室。その後は昼過ぎの筆記試験合格発表まで自由時間ですが、その間に適性検査を受けたり、都銃砲店さんが好意でお持ちになっていたシュミレーターを行って楽しんだりしました。

 適性検査は視力、聴力、体力を行います。体力は一部筆記試験開始前に行いますが、ご心配は無用。これを落ちるなら自力で会場に辿り着く事が出来ない方ですのでご安心を。視力や聴力も一般的な生活が出来ている方なら問題ありません。また視力に関しては矯正視力で問題無し。


 筆記試験終了までの時間待ちに行ったシュミレーターがなかなか面白かったです。外国製のソフトでパソコン上で動きます。様々なステージがあり、僕はシュミレーター上で熊に7回やられてしまいました。すさまじい速さで迫ってきます。ヘッドショットをしないと倒せない設定でするとこうなります。

 さすがの外国製で、イノシシのステージでは公道上で発砲するステージだったりと、日本国内の法規に照らし合わせるてみると、とんでも無い内容だったりするのですが細かい設定まで行えて、かなり楽しかったです。もしシュミレーターを見かけたらプレイしてみることをお勧めします!

 このシュミレーター、なぜかみんな一度プレイするとやめてしまい(多分熊にやられるから?www)昼前にはがらがら。僕ともう一人の方とで交互にプレイする状態に。この方と意気投合し、一緒にお昼ご飯を頂く事に。午前中の筆記試験時間も終わり、お昼ご飯の調達に出かけます。

 すぐ南側にマックスバリューがあったので、お昼ご飯はそちらで調達。調達後、2人で食べれる場所を探していたのですが、会議室らしき場所が空いていたのでそちらでお昼を頂く事に。昼食中に2人でいろいろな話をしました。僕より年齢は10個上、今日は罠猟を受験されに来た事、ビックバイクがお好きでBMWのツアラーに乗られている事(セレブ!!)など。



 やはりご飯は一人で食べるよりも誰かと頂く方が美味しいし、楽しいですね。




 昼食後、最初に行う行動は筆記試験の合格発表です。ほぼ全ての方が合格されていたと思います。受験者数はおおかた200人ほどいらっしゃったと思うのですが、帰られる方はほんの数名でした。次は実技試験です。まずは鳥獣の判別から始まり、その後距離の目測、猟具の取り扱いと移っていきます。この実技は受験する免許の種類によって異なります。それは銃猟で狩猟してよい鳥獣と、罠猟で狩猟してよい鳥獣が異なるように、内容が違うからです。


 かなりの受験者数だったので、すべての実技試験を受けるまでに2時間ほどかかりました。後は合格発表待ちです。このあいだに様々な方とコミュニケーションを図ることが出来ました。


 シュミレーターを担当していたお二人、一人は前回の初心者狩猟免許講習会でもいらしていた紅一点、クレー射撃、トラップ国体選手の大前さん、もうお一人はこちらも国体選手の鈴木さん。いつも有難い(?)お話しをして下さる兵庫県猟友会会長の吹田会長にも沢山お話しさせて頂きました。今までの取り組みや若かりし日の頃のお話しなど。

 県猟の事務をなさっている女子お二人方とも沢山お話しさせて頂きました。お二人ともに狩猟免許を所持なさっているとか。

 煙草を吸うために喫煙場所に行くと、そこもなかなかお話しが盛り上がっていました。そちらでも淡路島で民宿を営んでいる方とお知り合いになることが出来ました。この方はすでに罠猟を行われている方だったのですが、とどめ差しに危険を感じて銃猟の免許習得にいらしていました。





 狩猟免許は試験後、合格者には当日配布される仕組みです。一時間ほどで試験結果が発表され、合格者は免許を受け取り、後は解散します。


 沢山の方と知り合うことが出来て、非常に充実した一日となりました。帰りに都銃砲店さんに立ち寄り、注文していた銃を見に行くことに。




 !!


 そうなんです、実は銃の注文をしていてそれが届いたようなのです!

 届いた銃、現在は所持許可申請中ですがこれについてまたお伝えできればと思います。

 今日は狩猟免許試験当日のお話しでした。