2019年12月1日日曜日

ああ、もどかしい。

繁忙期のもどかしさと本職の重要さ


 私はお肉屋さんの職人です。お肉屋さんは12月、年末年始が一番忙しいです。この繁忙期は一年の総決算と申しますか、この期間の良しあしは今まで一年間行ってきた事のお客様から頂く評価と思っています。

 昨年度より売り上げが低ければ、私の働いているお肉屋さんよりも良いお肉屋さんにお客様が流れていると言えます。おかげさまで今年は好調に売り上げが推移しており、責任者としては胸をなでおろしているところであります。

 仕入れ業務と、人財管理が主な業務なので、繁忙期はその仕事に忙殺されます。そして大量に販売される牛肉や豚肉が在庫として自社の冷蔵庫には入り切れず、近所にある外部委託冷蔵庫に数十トンのお肉の山が出来ていて、その管理も併せて発生します。

 今ではこれらの業務にも基幹システムが導入されて、かなり負担は軽減されましたが、大昔はは紙ベース(笑)、数年前まではエクセルで管理していたので

こんな仕事は朝飯前

と言わんばかりに朝飯前に仕事が終わる連続でした。冬の日の出は朝7時!!

 今ではかなり楽にはなっていますが、片手間で出来るほど生ぬるくはありません。以前は迫りくる数々のプレッシャーに胃がキリキリとする日々でしたが、今では胆力も鍛えられて、どっしりと構えることが出来るようになりました。

 私の働いているお肉屋さんは、地域でも有数のお肉屋さんです。この会社のおかげで様々な資格やスキルが身につき、そして狩猟にも関わることが出来るようになったと思っています。狩猟は行うと必ずお肉が産出されます。頂いた命を有効に活用できる力を身につける事が、日々の業務で培われている訳です。

 まず屠畜についてですが、一般の生活を行う中ではまず必要に迫られることは無いと思います。家畜は必ず屠畜場で処理しなければ食肉として流通出来ないために、この屠畜場で勤務しなければ屠畜に触れたり行ったりすることは無いでしょう。

 屠畜に含まれますが、皮はぎについても同様です。かなりのテクニックが必要となりますし、夏場の脂の少ない個体も、冬場の脂の乗った個体もそれぞれにテクニックが必要となります。美しく皮を剥ぐ事は、せっかく頂いた命を無駄にしない大切な事です。

 お肉の産出量は先ずこの皮を剥ぐ時点で左右されます。脂や肉を皮につけて削いでしまえば、優に数%は変わってきます。これは家畜にも言える事です。ただ猟師さんが行うように、刃物で皮を剥ぐ、という行為が現在の家畜の主流の方法ではありません。

 グラインダーでブイーンと剥いてしまうのが現在主流の方法なので、私は今でも刃物で皮を剥いでいる屠畜場に練習に行きました。

 次に皮を剥いだ屠体を保管する技術ですが、家庭用や一般の猟師さんではなかなか無いプレハブ冷蔵庫があるので、熟成しながら保管する事が出来ます。熟成の方法、方向性や仕上がりは明らかに家畜とは違いますが、やはりお肉は熟成により、より良い品質へと導く事が出来ます。

 生きていた時の環境や、屠畜の条件や方法でかなり肉質は左右されますが、これはジビエ肉の特徴とも捉えることが出来るでしょう。最高の肉質や品質を求めるなら、イノシシを飼養しなければならず、それはその飼養を行い続けていれば限りなく豚に近づいていく事になります。

 罠などで捕獲したイノシシを飼養している方はどうもちらほらいらっしゃるようですが、これは一代限りの飼養で、またイノシシは環境適応能力が高いようなので、野生の時とは異なった振る舞いを取るそうです。だから家畜になった訳なのですが。ただ血統選別を行いだすと、それはもう豚ですし、この行為を行った場合の食肉としての流通や適応する法律はあるのでしょうか?ある意味イノシシから現在に通用する血統選別を行う人は、もはやプロ過ぎて憧れてしまうかもしれません。


 次に骨付きのお肉から骨を取り除く作業、捌きについてですが、これは私の超、超専門です。この捌きでも大きくお肉の品質は変わってきます。何度もイノシシの産肉量を調べましたが、野生環境で生活している分、骨が太く豚に比べて10%ほど骨や皮の量が多いです。因みに豚はおおよそ70%の産肉量です。


 と、猟師にとって獲物が取れてから必要とされているスキルは人並み以上にありますが、
が!

 
 忙しくて取りに行けない、狩猟にいけないもどかしさ。ああ、年内は多分射撃の練習にもいけないんだろうなぁ・・・猟師の一番大事なスキルは獲物を捕獲する能力です。今のところそのスキルはー

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 デビューは来年になりそうなお肉屋さん猟師でした。
































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